小企業にとって、固定費は経営の大きな負担となります。中でも、通信費は上手に削減することで利益率の向上につなげることができます。
そこで、今回は小企業の通信費削減の方法について、私が実際に実践したいくつかの方法をご紹介します。従業員数や運用している携帯等の台数にもよりますが、これらの方法を実践すれば年間で数十万円、場合によっては100万円以上の削減が可能となる場合がありますので、是非参考にして下さい。
通信費削減のポイント
小企業の通信費削減には、以下4つの方法が有効です。
- インターネット回線の見直し
- 固定電話の見直し
- FAXの見直し
- 携帯電話の見直し
インターネット回線の見直し
まずは、自社のインターネット回線の契約内容を見直しを行ってみると良いと思います。これだけでも、通信費を大きく削減できる可能性があります。具体的には、以下の点を確認しましょう。
- 契約している回線は、自社の業務に適したプランなのか
- 契約しているプロバイダは、最安値なのか
- 契約期間は、自社の状況に合っているか
私の職場では、通信が安定していて比較的多くの端末が接続できる「ドコモ home 5G」を契約しました。「ドコモ home 5G」は、ドコモが提供する5G対応のホームルーターで、工事不要ですぐに使える、高速通信が可能な点が魅力です。「ドコモ home 5G」には、主に以下の5つのメリットがあります。
- 工事不要ですぐに使える・・・「ドコモ home 5G」は、工事不要ですぐに使えるのがメリットです。通常、光回線の場合は開通工事が必要です。しかし、「ドコモ home 5G」なら、コンセントに挿すだけですぐに使えるので、すぐにインターネットを使い始めることができます。
- 最大4804Mbpsの高速通信が可能・・・「ドコモ home 5G」は、最大4804Mbpsの高速通信が可能です。大容量のデータもストレスなくダウンロードできます。
- データ容量無制限・・・「ドコモ home 5G」は、データ容量無制限で利用できます。動画等を思う存分楽しめるのが魅力です。
- 複数台の同時接続が可能・・・Wi-Fi64台、有線LAN2台の接続が可能です。また、複数台のルーターや中継器を使用して広範囲で電波を使用することができます。
- 端末代金が実質無料・・・「ドコモ home 5G」の端末代金は、月々サポート割引で実質無料になります。2年間の利用で端末代金が実質無料になるので、初期費用を抑えて利用できます。
毎月の利用料金も5,000円程度なので、非常にリーズナブルです。
固定電話の見直し
次に、固定電話の契約を見直していきましょう。そもそもですが、固定電話は必要なのか、そのあたりの議論をする必要があると思います。私の職場では、いくつかの部署で内線を利用していたので固定電話は必要であろうとの意見が多く出ていましたが、内線機能の付いたIP電話アプリを利用することで、この問題を解決することができました。
このサービスを使うと、通常の携帯電話の電話番号に加えて、スマホに専用のアプリをインストールすることで、もう一つの電話番号を使えるようになります。つまり、様々な運用方法はあると思いますが、個人のスマホにアプリだけインストールしてもらい、そのアプリ上の利用料金だけ会社の経費で落とすという運用ができるようになります。
そのサービスは、OPTAGEという会社が提供する「ビジネスLaLaCall」です。2種類のプランを提供していますが、私の職場では、内線機能の付いたセントレックスタイプを選択しました。5回線以上の契約が必要になりますが、1回線当たりの費用は500円(税抜)と非常に安いです。通話料については、固定電話へは8円/3分(税抜)、携帯電話へは18円/1分(税抜)と非常に良心的です。また、転送や内線同士での通話料金はもちろん無料です。これで、老朽化した電話機を使うことを止めることができました。この方法で運用すると、メンテナンスの費用が非常に安く済むと思います。
「ビジネスLaLaCall」のメリットは、以下の4つです。
- プランと料金・・・月額基本料は割安で、スマホや携帯、固定電話への通話がおトクになります。
- 万全のセキュリティ・・・例えば、スマホを紛失した時には、外部からリモートコントロールで情報を削除する等、様々な管理機能でスマホ内の情報漏洩や不正使用を防止します。
- 便利な機能が充実・・・企業内チャットなど、充実の便利機能でビジネス効率がアップします。
- 業務の効率化をサポート・・・例えば、ビジネス利用の通話料を個別に精算していた場合、通話料の請求をまとめることができます。
携帯電話の見直し
従業員に携帯電話を貸与している会社は、現在の従業員の携帯電話の利用状況を見直すことで、通信費を削減できる可能性があります。従業員の携帯電話の利用状況を把握して、現在契約しているプランが本当に必要なプランなのか見直す必要があります。以下のポイントに注意して、見直しを行うと良いでしょう。
- 携帯電話への通話が多く、固定電話へも連絡する等、通話量が多い場合・・・携帯電話のかけ放題プランを検討
- 固定電話への通話量が多い場合・・・携帯電話はデータ通信のみの契約を行うことで、支出削減を検討するとともに、「ビジネスLaLaCall」のようなIP電話アプリの利用を検討
- 通話がほとんど無い場合・・・携帯電話の貸与を止める、契約するプランを最低限のものにする検討
私の職場では、法人契約ができて最安で運用できる「日本通信SIM」を契約しました。「日本通信SIM」の魅力は、1ヶ月290円(1GB)から利用できることが最大のポイントで、データ通信の上限を1GB単位で管理者が設定できる点にあります。通話料金も11円/30秒(税込)と、通常の半額に近い通話料金です。
「日本通信SIM」の料金概要は、以下の通りです(安価な2つのプラン)。
合理的シンプル290プラン | 合理的みんなのプラン |
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月額基本料:290円 | 月額基本料:1,390円 |
含まれるデータ量:1GB | 含まれるデータ量:10GB |
無料通話:なし | 無料通話:70分まで無料 |
超過データ料金:1GBあたり220円 | 超過データ料金:1GBあたり220円 |
国内通話料:11円/30秒 | 国内通話料:11円/30秒 |
FAXの見直し
最後に、FAXの見直しについてです。Eメールでのやり取りが増えている昨今では、FAXは利用頻度の低いサービスになっています。ただ、ビジネスをやっていく上ではFAXが必要になるシーンが一定あります。そこで私の職場では、クラウドFAXを利用することにしました。なぜなら、クラウドFAXはFAX機が不要なことに加えて、ペーパーレス化が図れるからです。
私の職場では、「秒速FAX」というクラウドFAXのサービスを選択しました。FAXを送る時のメリットとして、パソコンからWordやPDFのファイルを送信できるようになります。また、FAXを受ける時のメリットとして、PDF化されたデータで受信できることです。また、メール転送設定をすれば送られてきた内容の情報共有が、従業員間で瞬時にできます。
「秒速FAX」の料金概要は、以下の通りです。
秒速FAX送信 | 秒速FAX Plus(受信) |
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初期費用:220円 | 入会金、初期費用:1,650円 |
月額基本料:0円 | 月額基本料:550円~ |
1ページ送信単価:7円~ | 1ページ受信単価:0円~ |
まとめ
今回は、小企業の通信費削減のポイントについて説明しました。この記事を読んでいる人は、会社の費用をなんとか削減したいと藁をもすがる気持ちだと思います。
会社の支出をスリムにして、利益を上げるとともに、従業員に喜ばれる働きやすい会社を作っていきましょう。